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2025年、年頭にあたり

木々

 

あけましておめでとうございます。

 

年頭にあたり、去年に続き「日本の映像業界を健康で元気にする」ために大切な労働時間について書こうと思います。

昔よりは少し良くなったとはいえ、日本の映像業界は拘束時間が長くて本当にハードな仕事なのは今も変わりません。

ハードではあるけれど20代の頃の経験は本当に大切で、ある一時期は夢中になって寝食を忘れて仕事をすることは絶対に必要なことだと思います。自分もその20代の頃に経験した土台があって、その上に積み上げるような形で今があります。

でもチーフ・プロダクションマネージャーになり大きな仕事がコントロールできるようになり、プロデューサーになって肉体労働から頭脳労働へと移行するその時期に時間の使い方を大きく見直す必要があると思います。

私自身も30歳を過ぎてスプーンに入ってから大きく働き方を変えました。

基本的には映像業界の人間も、一般の家族を持って生活している人と同じです。

今や昭和の時代のように、家族をかえりみず、全て仕事にささげる人生は見直さないといけない時期に間違いなく来ていると思います。

映画の世界ですが、フランスでは1日の撮影時間が8時間、週に42時間しか働いてはいけないルールがあるようです。韓国の撮影環境はかつて日本よりもハードでしたが、整備が急速に進み今は週に52時間までというルールができています。

日本は映画界の有志の方が頑張って日本映画制作適正化機構というものができました。スタッフの作業は1日あたり13時間、前後1時間ずつ準備と撤収と考えて撮影時間は11時間まで。海外と比べるとまだまだ長いですが、でもルールができたのは素晴らしいことだと思います。

しかしながら広告の映像業界には現在のところ何もルールが存在しません。

政府の動きを見ていると今年には労働時間の基準を作る必要があるように思います。そこでスプーンは2025年から21時を目指して仕事を切り上げる、そして週末は出来る限り休みにする、ことを目標にしたいと思います。

映像業界を健康で元気にするために、できることを少しずつ。

今年もスプーンをよろしくお願いたします。

 

2025年1月6日
大桑 仁

Text By

大桑 仁
大桑 仁

Yasushi Okuwa

代表取締役社長/プロデューサー

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