【第9回】スプーンのあたらしい風

Text by あたらしい風

スプーンのあたらしい風 第9回目の投稿です。
今回は、2年目制作部 山下が楽曲を担当した映像制作について。
 
 

——————やるべきことが多すぎる…何から手をつけたら良いか分からない…

      キャパ…頭がごちゃごちゃしてきた…もう無理…あれ…もう…なんか…

 

 

単体としてはそれほど大きくはない問題が、

たった3つくらい重なるだけでも、自分ひとりの心は簡単に壊れます。

 

逆に言えばどんな暗澹の中でも、

落ち着いて整理すれば平静を失わせる要因は意外とシンプルなのかもしれません。

 

真っ白な雲から差した光が7つに分散して波長ごとで整頓されるように、

ひとつひとつ片付けることでいつの間にか、

いつもの自分に戻れることもあるだろうと、この曲を制作しました。

 

映像の制作にあたっては、

「しっとりとほんの少しだけ前向きな映像」にしたいという企画の下、

ディレクション・ロケーション・機材・撮影・キャスティング・編集・タイトルデザイン…と

全てスプーンの一部メンバーで準備を進めました。

 

皆さんも久しぶりにてるてる坊主を作って、ベランダに一歩出ることから始めてみませんか?

私の場合まずは一旦来週のロケハン整理の作業に戻ることから始めてみます。

 
 

 

「ベランダから」
作詞・作曲 山下真太郎

 

朝の冷えきった部屋は片付かない

音楽をかけては止める

透けたカーテンの外の雨は

メールとリマインダー溜めてうるさい

だんだん強くなる雨足に飲み込まれ

はぐれては落としもの

ブルー・藍色・紫の外

全部透けて見えるレントゲンみたいに

はぐれてもつかまえていかなきゃ、的な

雲の中では何もかもが混ざって縺れ合い

白く見えている

結局我が事が一番分からない

はぐれては立ち止まる

黄色・オレンジ・赤の外

全部忘れられる深夜ラジオみたいに

はぐれても笑えればいいかな、的な

ティッシュを丸めてガーゼで包むよ

輪ゴムで留めたら吊るしておく

昼ごろ晴れたら顔を描いてあげよう

7色の彩雲は整頓されたスペクトルです

みんなそれぞれきっと緑色のまんま

はぐれたら1つずつ始めてみよう

まずベランダから