向井の就活コラム 第3話

Text by 向井 潤一

第3話 「そもそも、広告映像の制作という仕事

 

私達のビジネスのジャンルは、マスコミとか広告とか云われています。広辞苑で引くとですね、マスコミは大衆への大量的な情報伝達、広告は広く世の中に告げ知らせること、とあります。

 

つまり情報の大量投与をする仕事のようです。でも、私達が普段仕事でやっていることは、どうもそういうことでもなく、むしろ個人から個人への手紙をわりと大がかりに書いているようなとこがあって、その中身を相手がどんなふうに気にとめてくれるかということばかり考えているようなところがあります。それは、文脈だったり、映像だったり、音だったり、色々なんですけど。

 

昔、大先輩のCMディレクターの方が云われてたことがあるんですが、どんなに大量の広告が目の前を通り過ぎて行っても、その中に何か気にかかることがなかったら、人は心の中で目を閉じて反応しないものだと。私も、まったくそう思います。知名度が高くて、好感度という数値も高いタレントさんが、すごく感じよく出てらして、撮影にも豪勢にお金がかかっていて、様々なメディアに大量に出稿されていれば、まずそれに気が付かなかったってことはないでしょうけど、別に気にかからないものというのも、けっこうあるもんです。ちょっと気にかかるしくみを作るために、いろいろと知恵をしぼっているわけですが、それに相手が反応するかどうかは、きわめて個人的なことだったりするんですね。

 

この仕事の面白いとこは、そういうとこだったりします。

 

 

 

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※向井の就活コラムとは。

2018年度新卒者募集時の企画「向井のコラム」として、2017年3月6日〜7月18日までの期間、スプーンのFacebookページにて掲載したものの、再構成です。全10話にわたり、主に就活中の学生の皆さんに向けて、というテーマで、仕事のこと、スプーンという会社のことを綴ったものです。